ゲームを作り続ける理由を、彼はこう言った。
小島秀夫という名前を聞いたことはあっても、作品を遊んだことがない人は多い。でも、彼が何者かを知ると、ゲームを超えた話として面白くなる。映画監督になりたかった男が、映画よりも映画的なゲームを作り続けて40年。その軌跡は、エンタメ業界随一の鬼才クリエイターの歩みだ。
コナミとの契約が終了した翌日に会社を設立した
2015年12月、小島秀夫は長年在籍していたコナミとの契約を終了した。メタルギアシリーズを20年以上かけて育て上げ、世界累計5500万本以上を売ったクリエイターが、自分が手掛けた最新作の発売直後に会社を去ることになったのだ。翌日、彼はコジマプロダクションを設立した。1日も空けなかった。作ることをやめる気はなかったと後のインタビューで語っている。
なぜ「映画的ゲーム」と言われるのか
小島作品の特徴として必ず挙がるのが、映画みたいなカットシーンだ。初代メタルギアソリッド(1998年)では、当時のゲームとしては異例の長時間ムービーが話題になった。その理由は単純で、彼が本当に作りたかったのは映画だったからだ。映画学校に進みたかったが断念し、ゲーム会社に就職した。DEATH STRANDING(2019年)はノーマン・リーダス、マッツ・ミケルセン、リア・セドゥらを起用し、Steamでの評価は非常に好評。2026年3月19日にはDEATH STRANDING 2のPC版が正式リリースされた。
杉田智和との対談で明かされた制作哲学
PC版リリースに合わせて公開された声優・杉田智和との対談ではゲームは社会の鏡でなければならないと語った。コロナ禍に孤独と繋がりをテーマにしたDEATH STRANDINGを、彼はパンデミック前に構想していた。時代を読んだのではなく、人間の本質を描こうとしたら時代が追いついてきたと語っている。
次の野望——PHYSINTとOD、そしてアニメ
今の小島秀夫には同時進行で複数のプロジェクトがある。PHYSINTは次世代スパイアクションゲーム。ODはジョーダン・ピールとのコラボXbox向け新作。さらにDEATH STRANDINGアニメシリーズも進行中だ。62歳の今も加速し続けている。
「映画を作れなかった」から生まれた体験
小島秀夫をただのゲームクリエイターとして見ると評価が平板になる。彼は映画という形式への憧れを燃料に、ゲームという別の形式で世界と戦ってきた人物だ。DEATH STRANDING 2のPC版は今すぐSteamで遊べる。映画好きなら、まずカットシーンだけ観てみてほしい。それだけで「これはゲームじゃなく、何か別のものだ」という感覚を味わえるはずだ。


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