IVEウォンヨンが世界20社超のブランド大使に選ばれる理由

高級ジュエリーを身につけたエレガントな女性——ウォンヨンのようなファッションアイコンのイメージ K-POP・韓流
Photo by Vika Glitter on Pexels

フランスの老舗ジュエリーブランドが選んだのは、韓国の21歳のアイドルだった。高級品市場の保守的なイメージを覆すようなその選択は、チャン・ウォンヨンという存在の特異性を物語っている。アイドルとしての活動と並行して20社以上のブランドアンバサダーを務める彼女の軌跡と、なぜブランド側が彼女を選ぶのかをK-POP初心者にも伝わるよう丁寧に解剖していく。

Produce 48で1位——14歳で掴んだスターへの切符

2018年、日韓合同オーディション番組「Produce 48」で最終順位1位を獲得しデビューしたのが、当時14歳のチャン・ウォンヨンだった。日韓混成12人組プロジェクトグループIZ*ONEとして活動を開始し、デビュー曲「라비앙로즈(La Vie en Rose)」はガールズグループの初週売上記録を塗り替える大ヒットを記録した。この時点ですでに「センターとしての磁力」がファンの間で語られていた。

IZ*ONEは最初から2年半の活動期限が設定されたプロジェクトグループ。2021年4月29日の解散日を迎えるまで、ウォンヨンは歌番組でのパフォーマンス、バラエティ出演、日韓両国でのファンミーティングをこなし続けた。プロジェクト終了が見えていても手を抜かないプロ意識は、当時から彼女を語る上で欠かせないキーワードだ。

IVEデビューとデビュー曲13冠——数字が証明したセンターの価値

IZ*ONE解散後、ウォンヨンはSTARSHIPエンターテインメントと契約。2021年12月1日、6人組ガールズグループIVEの一員として再出発を果たした。グループ名の「IVE」はI HAVEを意味し、「すでに自分の中にあるものを活かす」という哲学が込められている。

デビュー曲「ELEVEN」は、韓国女性グループのデビュー曲として史上最多となる音楽番組13冠を達成。続く「LOVE DIVE」はSpotifyで5億回再生を突破、「After LIKE」は4億2500万回、「I AM」は2億8700万回と、リリースのたびにストリーミング数を積み上げてきた。2023年にはビルボードのグローバルチャートでも上位に食い込み、K-POP第4世代を代表するグループとしての地位を固めている。グループとしての世界的な認知度が、個人・ウォンヨンの商業価値をさらに押し上げている構図だ。

FREDの初の韓国人アンバサダー——パリが認めた21歳

ウォンヨンの個人活動で最も注目を集めるのが、2022年8月に締結したフランス高級ジュエリーブランド「FRED」とのパートナーシップだ。1936年創業のFREDはモナコ王室とも縁のある格式あるメゾン。その初の韓国人アンバサダーに選ばれたのが、当時18歳のウォンヨンだった。

パリで開催されたFREDのイベントに登場した彼女の姿はSNSで瞬く間に拡散。K-POPファンのみならず、ファッション業界関係者や海外メディアにも「チャン・ウォンヨン」の名前が届くきっかけとなった。フランスの高級ブランドが韓国のアイドルを選ぶことで、従来の「高級ブランド=欧米のセレブ」という固定観念が崩れ始めていた時期と重なる。ウォンヨンはその象徴的な存在として位置づけられた。

20社超のブランドが選ぶ理由——数字と佇まいと影響力

現在、ウォンヨンが契約しているブランドはMiu Miu、Tommy Hilfiger、Bulgari、資生堂、ロレアルパリなど20社以上に上る。韓国の経済紙では「広告界のブルーチップ」と評され、グローバルなSNSでの影響力は業界内で突出している。

なぜこれほど多くのブランドが彼女を指名するのか。理由は大きく3つに整理できる。

①圧倒的なビジュアルと身体的なポテンシャル
身長173cmというモデルに匹敵するプロポーションは、服や装飾品の魅力を最大限に引き出す。カメラを向けられた瞬間に表情が変わる「スイッチング能力」も業界関係者が高く評価する点だ。

②グローバルなSNS影響力
Instagramフォロワーは2024年時点で1700万人超。投稿ひとつで商品の検索数が跳ね上がる「検索エンジン効果」は、ブランド側にとって計算しやすい投資対効果を生む。

③ポジティブなパブリックイメージ
炎上リスクが低く、清潔感とエレガンスを兼ね備えたイメージは、ラグジュアリーブランドが最も避けたいレピュテーションリスクを最小化する。

センターであり続ける理由——舞台映えの正体

K-POPグループにおいてセンターはビジュアル・ダンス・表現力・カリスマ性を兼ね備えた象徴的ポジションだ。ウォンヨンがIZ*ONE時代から一貫してその位置に立ち続けられるのは、身長から生まれる舞台映えだけではない。

カメラを意識した瞬間的な表情の作り方、ファンへの細やかな気遣い、そして年齢を感じさせない場の掌握力——これらが組み合わさって見る者を引きつける磁場を形成している。振り付けの隅々まで自分のものにする努力と、ライブでのアドリブ的な表現力のバランスが、同世代のアイドルとの差別化要因として挙げられることが多い。

ファン(ウォネ)の間では「ウォンヨンは見るたびに違う」という声が多い。同じ曲、同じポジションでも公演ごとに表情や間合いが微妙に変化し、その繊細なアップデートが繰り返し会場に足を運ばせる原動力になっているようだ。

2ndワールドツアーとこれからの展開

2026年4月には京セラドーム大阪での公演が予定されている2ndワールドツアー「Show What I Am」が進行中で、グローバルな活動範囲はさらに広がり続けている。アジア・北米・欧州をカバーするツアー規模は、K-POP第4世代グループとしては最大クラスだ。

音楽活動とブランドビジネスを両輪で回しながら、チャン・ウォンヨンは「アイドル」という言葉の定義を更新し続けている。IVEの音楽から入るもよし、ファッション目線でウォンヨンを追いかけるもよし——沼への入り口は、どこから踏み込んでも底が見えない。

K-POPファン以外にも響く「ウォンヨン現象」の本質

チャン・ウォンヨンの面白さは、K-POPファンでなくてもその存在感に気づいてしまう点にある。高級ブランドの広告ビジュアルで彼女を見かけ、検索して初めてアイドルだと知ったというケースが海外では珍しくない。ファッション誌のカバーを飾り、フランスのジュエリーブランドのパリイベントに登場する——その活躍のフィールドがK-POP内にとどまらないからこそ、接触点が多い。

「推す」という行為の入り口が多様化している今、ウォンヨンはその最も分かりやすい例のひとつだ。音楽から入ったファン、ビジュアルから入ったファン、ブランドコラボ経由で知ったファン——それぞれの「好き」の形がグループの裾野を広げていく。アイドルとしての活動とファッションアイコンとしての地位が互いに強化し合うこの循環こそが、20社超ものブランドが彼女を選び続ける最大の理由だ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました