モンスターを狩らない、モンハン。ストーリーズ3が本編ファン以外に刺さる理由

Close-up of a Super Mario toy figure standing among coiled plastic tubes. ゲーム
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「モンスターを倒してアイテムを剥ぎ取る」——これがモンスターハンターシリーズのDNAだと思っていた。だが、カプコンは2026年3月13日、真逆のコンセプトを持つ作品を世界に放った。『モンスターハンターストーリーズ3』。モンスターを狩らず、絆を結び、仲間として戦う。20年以上積み上げたシリーズの文法を裏返したこのRPGは、なぜ今生まれたのか。そしてなぜ、本編ファン”以外”を最も熱くさせているのか。

モンスターハンターを「知らなくてもいい」RPGが登場した

モンスターハンターシリーズといえば、歴代最高の累計販売本数を誇るカプコンの看板タイトルだ。特に2018年の『モンスターハンターワールド』は全世界2000万本以上を売り上げ、ゲームの歴史に名を刻んだ。シリーズ全体では累計2億本超を達成している(カプコン公式発表ベース)。

そのブランド名を冠しながら、『ストーリーズ』シリーズはまったく別のゲームだ。プレイヤーは「ハンター」ではなく「ライダー」と呼ばれる存在になる。モンスターを倒す目的ではなく、モンスターの卵を見つけ孵化させ、絆を深めてパートナーとして旅をする。ポケモンやドラクエモンスターズを想起させるという人が多いのも納得で、ゲームの根幹が「テイム&バトル」RPGとして設計されているのだ。

ストーリーズシリーズは2016年に第1作、2021年に第2作が発売されている。3作目となる今作は、マルチプラットフォーム(Switch 2・PS5・PC)での展開という大きな変化を持って登場した。

「狩り」の代わりに「絆」がある——ゲームデザイン哲学の逆転

本編MHとストーリーズ3の最大の違いは「目的」にある。

本編では、モンスターは倒して素材を集めるための「獲物」だ。プレイヤーは強化されたハンターとして、より大きな脅威に挑み、より強い武器を作り続ける。達成感は「圧倒的な強さの敵を攻略したとき」に生まれる。

一方ストーリーズ3では、モンスターは「仲間」だ。オトモン(パートナーモンスター)と呼ばれる存在と共に戦い、旅をし、物語を進める。バトルシステムもコマンド選択式のターン制RPGで、本編のアクション性とは別物だ。剣と盾を振り回す必要はなく、「次は何を選ぶか」という戦略性が問われる。

これは、本編MHが苦手だった層への「別の入口」だ。アクションゲームが得意でなくても、「モンスターと友達になりたい」「世界観だけ楽しみたい」という欲求に応える設計になっている。実際、SNSには「MHは難しくて挫折したけどストーリーズはすごく楽しい」という声があふれている。

カプコンの戦略:Switch 2がもたらす新たな市場

今作が注目される理由のひとつが、Nintendo Switch 2への対応だ。

Switch 2は2025年に発売された任天堂の次世代機で、グラフィック性能が大幅に向上。据置でも携帯でも快適にプレイできる特性を引き継ぎながら、より高品質なゲーム体験を提供できるようになった。

カプコンはSwitch 2のリリースに合わせ、主要タイトルのSwitch 2対応版を積極的に展開している。モンスターハンターワイルズのSwitch 2版が話題になったように、MHブランドはSwitch 2と非常に親和性が高い。

ストーリーズ3がSwitch 2対応で発売された意味は大きい。RPGというジャンルは携帯モードとの相性が抜群で、「電車の中でオトモンと旅をする」という体験は、外出先での短時間プレイにも適している。Switch 2を購入した新規ゲームユーザーが最初に手に取るRPGとして、ストーリーズ3は理想的なポジションにある。

また、PS5・PC同時発売という点もカプコンの意欲を示している。過去作は3DS(1作目)・Switch/3DS(2作目)という任天堂ハード中心の展開だったが、今作は全主要プラットフォームへの展開を選択した。これはシリーズとしての市場拡大を本気で狙っているということだ。

本編MHファンも楽しめる「もうひとつのモンハン世界」

誤解してほしくないのは、これは「本編MHとは別物」ではあっても、「MHの世界観とは無関係」ではないという点だ。

ストーリーズ3に登場するモンスターは、本編MHでお馴染みの顔ぶれだ。リオレウス、ナルガクルガ、ティガレックス——長年のファンなら一瞬で「あれだ!」となる。本編では命がけで戦う相手が、ストーリーズではパートナーとして共に旅をする。この「視点の転換」は、MHファンにとって新鮮でありながら懐かしい体験になる。

さらに、世界観も共有されている。モンスターと人間の関係、ハンターという職業の存在、大自然の中に根ざした生活——本編を遊んだことがある人なら、その土台の上にストーリーズの物語が積み重なる感覚を味わえる。

「本編MHの硬派さが好きだけど、たまにはゆっくりとしたRPGもやりたい」という需要にも応えているのだ。

育成システムの深さ:オトモンとの旅が生む愛着

ストーリーズシリーズが長期ファンを生む最大の理由は「オトモン」への愛着だ。

ゲーム内ではモンスターの巣を見つけて卵を孵化させ、自分だけのオトモンを育てる。各モンスターには固有の能力・スキル・遺伝子があり、掛け合わせによって強化していく「遺伝子継承」システムが奥深い。ポケモンの厳選・個体値のような沼があり、やり込み勢も満足できる設計だ。

3作目では戦闘システムも進化し、複数のオトモンを切り替えながら戦う「マルチオトモン戦闘」が可能になった。単純な相性じゃんけんだけでなく、属性・スキル・タイミングを考えた立体的な戦術が求められる。

「育てたモンスターが強くなる瞬間の喜び」——これは本編のハンターが強敵を倒す喜びとは異なるが、ゲームとしての達成感において決して劣るものではない。

まとめ:MHストーリーズ3は「もうひとつの入口」として機能する

  • 本編MH未経験でも楽しめる:アクション不要のターン制RPGで、世界観だけ味わいたい人に最適
  • Switch 2対応で携帯プレイにも最適:外出先でもオトモンと旅できる
  • 本編ファンには「裏MH」として新鮮:知っているモンスターを「仲間」として見る新体験
  • 育成の深さはやり込み要素十分:遺伝子システムで長期間遊べる
  • マルチプラットフォームで間口を最大化:PS5・PC・Switch 2すべてに対応

カプコンがストーリーズシリーズに込めたメッセージは明確だ。「モンスターハンターは、狩るだけじゃない」——その宣言は、シリーズに縁がなかった人々を巻き込みながら、MHというIPの可能性を大きく広げようとしている。

ポケモン世代も、ドラクエモンスターズ好きも、そして本編MHで挫折した人も。モンスターハンターストーリーズ3は、そのすべての人に「もう一度MHを試す理由」を与えてくれる作品だ。

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