2026年2月、ATEEZが新曲「Adrenaline」を引っさげて日本のK-POPシーンに凱旋した。初週でHanteo売上154万枚というATEEZらしい数字を叩き出したこの曲を聴くと、今の日本K-POPに起きている「2層構造」が浮かび上がってくる。
154万枚の衝撃——ATEEZの「Adrenaline」とは何か
2026年2月6日にリリースされたATEEZの13枚目ミニアルバム「GOLDEN HOUR: Part.4」のタイトル曲「Adrenaline」は、公開直後からチャートを塗り替えた。初週のHanteo売上は約154万枚。BillboardのTop 200では3位を記録し、iTunesトップアルバムでは31の地域で1位に輝いた。楽曲はメンバーのHongjoongとMingiが作詞に参加。エンジン音を彷彿させる重低音のEDMビートに、抑制的なラップと力強いボーカルが絡む構成だ。「限界を超えたその先へ」というメッセージが、ATEEZらしい舞台芸術的なパフォーマンスに乗って届いてくる。
2025年の日本ツアーが証明したこと
「Adrenaline」の前哨戦ともいえるのが、2025年秋の日本ツアー「IN YOUR FANTASY」だ。さいたまスーパーアリーナ(9月13〜15日)、ポートメッセなごや(9月20〜21日)、そしてグリオンアリーナ神戸(10月22〜23日)では追加公演が決定するほどの反響を呼んだ。日本においてATEEZのファン(ATINY)は確実に厚みを増しており、ベテランK-POPグループとしての地位を盤石にしている。2026年5月17日には埼玉・ベルーナドームで開催されるASEA 2026にも出演が確定しており、日本での活動はさらに続く。
ショート動画から生まれた新世代——RESCENEという現象
一方、2026年春の日本K-POPシーンで急速に存在感を高めているのが、2024年デビューのガールズグループ・RESCENE(レシーン)だ。5人組(Woni・Liv・Minami・May・Zena)のこのグループが日本で話題を集めたきっかけは、2026年1月21日リリースの日本語シングル「Pinball(ピンボール)」だった。この曲は日本と韓国のYouTubeデイリーショーツチャートを同時にランクイン(日本38位・韓国37位)するという異例の二重チャートを達成。TikTokやReelsを主戦場にした拡散戦略が功を奏した形で、「ラジオで聴いて検索した」という有機的な広がりも生まれている。
二極化が教えてくれること
ATEEZの「圧倒的なライブパフォーマンスと積み重ねたブランド力」と、RESCENEの「ショート動画から始まる有機的な拡散」——この二つの戦略が同時に日本市場で成功しているという事実は、K-POPファンの推し活の形が多様化していることを示している。CDをまとめ買いしてチャートを動かすスタイルから、TikTokで偶然出会って沼にはまるスタイルへ。どちらかが「正解」ではなく、それぞれが異なる入口から日本のリスナーにリーチしている。まずはATEEZの「Adrenaline」のMVを一度見てほしい。そのパフォーマンスの熱量を体験すれば、なぜ神戸で追加公演が埋まったのかがわかるはず。次に、RESCENEの「Pinball」を聴いてみる。K-POPが今、どんな音を鳴らしているかがその2曲でほぼ理解できる。


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