NiziUが西野カナの名曲「Dear…」をカバーしたのは2026年3月のこと。だが二人の物語はそこで終わらなかった。カバーを受け取った西野カナはNiziUとのコラボ新曲「LOVE BEAT」をリリースし、東京ドームのNiziUライブに登場。2026年6月14日、その感動的な瞬間が完結した。主役はNiziUと西野カナ——日本の音楽史に刻まれた「双方向の愛の連鎖」の全貌を追う。
「Dear…」との出会い——NiziUが語った憧れの原点
NiziUのメンバーたちが西野カナの熱烈なファンであることは、長年ファンの間では公然の秘密だった。特にMIIHI(ミイヒ)は「Dear…が人生で一番好きな曲」と繰り返し語ってきた。2009年にリリースされた「Dear…」は、切ない別れの感情を真正面から描いたバラードで、日本中を泣かせた名曲として今なお愛されている。
NINAは2025年2月、自身の誕生日企画として西野カナの「Best Friend」カバー動画をYouTubeに公開した。ファン向けのバースデーコンテンツという形だったが、それはメンバー自身の音楽的ルーツをありありと示す告白でもあった。
西野カナが「Dear…」を歌ったのは2009年。そのときNiziUのメンバーたちはまだ幼稚園や小学校に通う子供だった。言語の壁を越え、10年以上の時を経ても心に残り続けた楽曲——その事実がのちの「相互コラボ」の原点になる。
カバーという名の告白——2026年3月、愛が音楽になった日
2026年3月13日、NiziUの2nd EP収録曲として「Dear…」カバーの先行配信とミュージックビデオ公開が同時に行われた。4月1日には2nd EP『GOOD GIRL BUT NOT FOR YOU』が正式リリースされ、全3曲の中のひとつとして収録された。
全体わずか3曲という小さなEPに「Dear…」カバーが選ばれた事実は重い。タイトル曲でもない、自分たちのオリジナルでもない。にもかかわらずEPに入れた。それはリスペクトというより、もはや「愛の表明」だ。
NiziUはJYPエンターテインメントとソニーミュージックが共同で立ち上げた日韓ハイブリッドグループだ。K-POP的なパフォーマンスとJ-POPの感性の両立が売りのグループが、2009年のJ-POPバラードをカバーして見せた意味は、国境を超えた音楽の普遍性そのものだった。
SNSではカバー公開直後からMIIHIの「長年の夢が叶った」という感想が話題になり、西野カナのファンからも「こんなに丁寧に歌ってくれるとは」と感動の声が上がった。
まさかの逆転劇——西野カナが「返答」するまで3ヶ月
カバーから約2ヶ月後の2026年5月15日、驚きの展開が起きた。西野カナが「LOVE BEAT (feat. NiziU)」をデジタルシングルとして配信リリースしたのだ。
背景を知るには、西野カナの歩んできた道を押さえておく必要がある。2019年2月に活動休止。同年に結婚し、2023年8月には第1子を出産した。2024年6月に5年半ぶりの活動再開を発表し、同年11月の横浜アリーナ復活ライブで多くのファンを泣かせた。
そんな再起の只中にある西野カナが選んだコラボ相手がNiziUだった。「LOVE BEAT」はフジテレビ「めざましテレビ」の2026年テーマソングとして書き下ろされ、西野カナ自身が作詞を担当。明るくポップな自己再起動ソングとして5月27日にはCDシングルとしても発売された。
これはただのコラボではない。NiziUが「Dear…」で西野カナへの愛を表明したことへの、正真正銘の「返答」だ。ファンだったグループが憧れのアーティストにカバーで愛を贈り、受け取った側がコラボ曲で応えた。往復書簡のような展開は、J-POPの歴史でも稀なケースだ。
東京ドームのサプライズ——4万人超が目撃した感動の瞬間
そして2026年6月14日、物語は予想外のフィナーレを迎えた。NiziUのドームツアー「NiziU Live with U 2026 “NiziU:THE CINEMA”」は、6月6日・7日の京セラドーム大阪、6月13日・14日の東京ドームという全4公演。デビューから約6年、3年半ぶりのドーム規模での公演だ。そのファイナル日、東京ドームに詰めかけた4万人超の観客の前に、西野カナが告知なしでステージに現れた。
かつて日本武道館やドーム会場を埋めてきた西野カナが、今度はNiziUのドームにゲストとして立つ——この図式だけで、音楽ファンなら胸が締め付けられる光景だ。
その場で2人が披露したのは「Dear…」と「LOVE BEAT」の2曲。NiziUが西野カナへの愛を込めて歌ったカバー曲と、西野カナがNiziUとともに作り上げたコラボ曲——二つの楽曲が、生まれてきた背景ごとひとつのステージで結び合わされた。
「泣いた」「信じられない」「J-POP×K-POP融合の最高形を見た」——公演後、SNSはそうした声で溢れた。
日韓音楽クロスオーバーが刻んだ新章
NiziU×西野カナの一連の流れが示したのは、J-POPとK-POPの関係が「影響し合う」段階から「創り合う」段階に移行しつつあることだ。K-POP制作スタイルで訓練を受けたNiziUが、J-POPの名曲をカバーして広め、そのJ-POPアーティスト本人がK-POPグループとコラボして新曲を生む。2009年と2026年の音楽が、ひとつの円環を描いて再会した。
こうした構造は今後さらに増えていくだろう。NiziU×西野カナは、その先駆例として2026年の日本音楽史に刻まれる。
まとめ
- NiziUのMIIHIやNINAは長年の西野カナファンで「Dear…」への思いをたびたび語ってきた
- 2026年3月13日に「Dear…」カバーを先行配信、4月1日の2nd EP『GOOD GIRL BUT NOT FOR YOU』に収録
- 2026年5月15日、西野カナが「LOVE BEAT (feat. NiziU)」を配信リリース。めざましテレビ2026年テーマソング
- 2026年6月14日、NiziU東京ドームツアーファイナルに西野カナが告知なしで登場し「Dear…」「LOVE BEAT」を共演
- カバー→コラボ→ドームでの共演という「双方向の愛の連鎖」は、J-POP×K-POPクロスオーバーの新しい形を示した


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