永瀬廉はなぜ俳優として覚醒できたのか——King & Prince激動の3年と映画『鬼の花嫁』初主演が証明したこと

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映画公開から約1ヶ月が経ったいまも、「永瀬廉、俳優になったね」という言葉がSNSに流れ続けている。

2026年3月27日に公開された映画『鬼の花嫁』。吉川愛とのW主演でラブストーリーの映画初主演を果たした永瀬廉は、公開3日間で動員14万6000人・興収2億円を記録し、実写映画週末観客動員第1位を獲得した。アイドルとして走り続けた6年間、そして2023年のグループ大激変という試練を経て、彼は俳優として確かな新章を開いた。その軌跡をたどる。

King & Princeというステージで磨かれた6年間

2018年5月23日、King & Princeはメジャーデビューを果たす。平野紫耀、岸優太、永瀬廉、神宮寺勇太、髙橋海人の5人で臨んだ「シンデレラガール」は、発売初週でオリコンシングルランキング1位を獲得。まさに鮮烈なデビューだった。

なかでも永瀬廉は、グループのビジュアルを担う存在として注目を集めながら、バラエティ番組での飄々としたキャラクターやファンとの距離感の近さで独自の存在感を示していった。2019年には写真集『REN』を発売し、初版から重版が相次ぐヒットを記録。アイドルとして人気を不動のものにしながら、この時期からすでに「表現者としての素地」を積み上げていた。

デビューから5年間でリリースしたシングルは15枚を超え、ファンダム「ティアラ」の熱量は業界内でも屈指のものだった。グループとしての活動はライブツアー、バラエティ、音楽番組と幅広く展開。King & Princeというグループの中で、永瀬廉という個の存在が確立されていった時代だった。

2023年5月22日——グループを揺るがした決断

しかし2023年1月、衝撃のニュースが走った。平野紫耀・岸優太・神宮寺勇太の3人が同年5月をもってスタートエンターテイメントを退所することを発表したのだ。

ファンへの衝撃は計り知れなかった。SNSでは「King & Princeが終わる」というキーワードがトレンド入りし、エンタメメディアでは「ジャニーズ史上最大の分裂劇」と形容された。平野紫耀・神宮寺勇太は2023年5月22日に退所し、岸優太は同年秋に退所。3人はその後「Number_i」として新たな活動を開始した。

一方、永瀬廉と髙橋海人は残留を選択し、2人体制でKing & Princeとして歩み続ける道を選んだ。後のインタビューで永瀬廉は「解散という選択肢もゼロじゃなかった」と打ち明けており、この決断がいかに重いものだったかを示している。「アイドルを続ける意味」を問い直しながら、それでも前に進む道を選んだ——その経験が、俳優・永瀬廉の覚悟を形作った。

ドラマが育てた、演技の引き出し

永瀬廉の俳優キャリアは、King & Prince活動期から並行して積み重ねられてきた。

2021年のドラマ「彼女はキレイだった」(MBS・TBS系)では、完璧なルックスを持つ編集長という役どころで存在感を発揮し、アイドル・永瀬廉とは異なる「俳優としての顔」を初めて大きく見せた作品となった。続く2022年の「ファイトソング」(TBS系)では、重度の難聴を抱える天才数学者という難役に挑み、繊細な内面表現で演技評価を高めた。

注目すべきは、彼が選ぶ役の多様さだ。王子様的なビジュアル役から、障害を抱えた人物の内側まで、意図的に振れ幅を広げてきた痕跡がある。アイドルとしてのイメージを慎重に守りながら俳優業をこなす姿勢が一般的な中で、永瀬廉の「あえてリスクを取る」選択は際立っていた。この積み重ねが、映画初主演というキャリアの転換点を準備していた。

映画『鬼の花嫁』——数字が証明した新境地

2026年3月27日、永瀬廉は映画ラブストーリーの初主演という扉を開けた。

原作はシリーズ累計発行部数650万部を突破した同名の和風恋愛ファンタジー小説。鬼と人間が共存する世界で、優れた容姿と能力を持つ鬼たちが「花嫁」を選ぶというドラマチックな設定のもと、永瀬廉が鬼の花婿、吉川愛がヒロインとしてW主演を張った。

結果は数字が語る。公開3日間で動員14万6000人・興収2億円を達成し、実写映画週末観客動員第1位を獲得。観客からは「少女漫画から出てきたような永瀬廉」「ありきたりなシンデレラストーリーではない、斬新な純愛物語」という声が上がり、filmarks評価は4.4という高い数字を記録した。

映画公開後にSNSで広がったのは、ファンダムの枠を超えた感想だった。「永瀬廉の目の演技がすごい」「アイドルのイメージが完全に変わった」——こうした声は、映画俳優・永瀬廉が確かに「届いた」ことを証明している。ラブストーリーの主演は、演技力だけでなく佇まい・空気感・相手役との化学反応が問われる、俳優にとっての総合テストだ。吉川愛との息の合った掛け合いとともにその試験を乗り越えた永瀬廉は、明確に一段上の俳優になった。

「永瀬廉」という俳優が、今いちばん面白い理由

アイドルから俳優への転身を遂げた人物は、日本の芸能界に少なくない。しかし、グループの大激変という渦中に身を置き、「解散も選択肢だった」という分岐点を経て、それでも前に進み続けたのちに映画初主演を掴んだ俳優は、ほとんどいない。

永瀬廉が俳優として面白いのは、その経歴に「実際に傷ついた軌跡」があるからだ。グループの激動を外野から見ていた人たちの多くが、その後の永瀬廉を自然と追うようになった。それは彼への熱狂というより、「どんな大人になっていくのか」という期待——そういう感情に近い。King & Princeとして音楽活動を続けながら、俳優としての実績も積み上げていくそのバランスは、「アイドルか俳優か」という二項対立をとうに超えた新しいエンターテイナーの姿を体現している。

まとめ

  • 2018年5月23日にKing & Princeデビュー。「シンデレラガール」で初週1位を獲得し、アイドルとして人気を確立
  • 2021〜2022年のドラマ出演でコメディから難役まで演技の幅を拡大。「アイドルが演じている」という見方を払拭
  • 2023年のグループ激変期に「解散という選択肢もゼロじゃなかった」中で残留を決断し、2人体制のKing & Princeを選択
  • 2026年3月27日公開の映画『鬼の花嫁』で吉川愛とW主演。公開3日間で動員14万6000人・興収2億円・実写映画第1位を達成
  • filmarks評価4.4、「少女漫画から出てきたような永瀬廉」という声が示す通り、俳優として確かな新章を開いた

まだ観ていないなら、ぜひ映画館で体験してほしい。スクリーンの中の永瀬廉は、あなたのイメージをきっと塗り替えてくる。

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