彼女たちは全員、日本生まれ日本育ちだ。それでも、K-POPの舞台からXGは世界を目指している。XGがワールドツアー「THE CORE」の日本公演を2026年3月に敢行し、横浜・大阪・名古屋の3都市で延べ約2万人を動員した。デビューからわずか4年——日本人グループが、K-POPの文法を使って世界市場に打って出るという前代未聞の試みが、今まさに確かな形を見せ始めている。
全員日本人、でも「K-POPグループ」——XGとは何者か
XGはJURIN、CHISA、HINATA、HARVEY、JURIA、MAYA、COCONAの7人組だ。全員が日本人でありながら、所属レーベルXGALXはエイベックスとK-POPの名門・BLACKLABELが共同設立した合弁会社。楽曲の大半は英語詞で書かれ、振り付けから映像制作まで、K-POPのプロダクション手法を全面的に採用している。
2022年3月のデビュー時から、XGの主戦場はSNSのグローバル市場だった。日本語でのプロモーションより先に英語圏のファンを掴み、YouTubeチャンネルへの再生の多くは海外からとされている。日本人アーティストでこのような逆転現象が起きるのは、極めて異例だ。
ワールドツアー「THE CORE」——その規模と熱狂
今回のツアーは北米・ヨーロッパ・アジアを含む20都市超を回る大型ツアーだ。日本公演は2026年3月、横浜アリーナを皮切りに大阪・名古屋へと続いた。
各会場を埋め尽くしたのはXGALX——XGのファンダムの呼称だ。サイリウムが揃って揺れる光景は、韓国アイドルの公演と遜色ない熱量を持っていた。横浜公演では観客の約20%が外国人だったとも報告されており、国内にいながら「海外の熱狂」を体感できる稀有な空間になっていた。
公演ではデビュー曲「Tippy Toes」から最新シングルまでを網羅するセットリストが披露され、英語詞の楽曲をダンスと一体で叩きつける圧巻のパフォーマンスが連続した。
なぜ日本人がK-POPで世界を目指すのか
日本の音楽市場は世界第2位の規模を誇るが、日本発アーティストが継続的に海外で成功するケースは限られてきた。K-POPが世界市場で躍進しているのは、楽曲・ダンス・ビジュアルを一体として磨き上げる「トータルパッケージ型」のプロダクション体制にある。
XGはその手法を正面から取り込んだ。韓国でのトレーニング期間を経て、英語を主言語に据え、SNSのグローバル展開を徹底的に行う。これは「日本人らしさを消す」ことではなく、「日本をベースに、世界に届く表現を身につける」という意識的な選択だ。そのアプローチが、世界中のZ世代に刺さっている。
XGが体現する、新しいアイドルの形
「どこで生まれたかより、何を届けたいかが大事」——メンバーが語るように、XGは国籍・言語・ジャンルの境界を越えようとしている。
日本人がK-POPで世界に出るという現象は、XGの登場によって「仮説」から「実例」になった。横浜・大阪・名古屋の観客が目撃したのは、その転換点だったかもしれない。THE COREのツアーはまだ続いている。気になった人はまず、代表曲「Left Right」や「TGIF」から聴き始めてみてほしい。


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