種崎敦美はなぜ凄い?アーニャとフリーレンを演じ分ける声優アワードW受賞の実力

スタジオのマイクとポップフィルター(声優・収録イメージ) アニメ・マンガ
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「ぴーなっつ!」と無邪気に叫ぶあの子と、1000年を生きる無口なエルフ——ふたりの声が同一人物だと知ったとき、あなたはどれほど驚くだろうか。

「同じ人」だと信じられない、声の落差

SPY×FAMILYのアーニャ・フォージャーは、高く弾むような声でコミカルな言葉を連発する人気キャラクター。対して、葬送のフリーレンのフリーレンは静謐で落ち着いたトーン、感情の起伏を極限まで抑えた語り口が特徴だ。

この正反対のふたりを演じているのが、声優・種崎敦美(1990年9月27日生まれ、大分県出身)。初めて聞き比べたアニメファンからは「本当に同じ人?」という声が上がるほど、そのキャラクターの差は鮮烈だ。

声優アワード史上初、同年W受賞という快挙

2023年3月に開催された第17回声優アワードで、種崎は声優アワード史上初の偉業を成し遂げた。ダイの大冒険・ダイ役で「主演女優賞」、SPY×FAMILYのアーニャ役で「助演女優賞」を、同じ年に同時受賞したのだ。

ひとつの賞でも十分な快挙だが、主演と助演を一度に獲る声優は過去に誰一人いなかった。授賞式で種崎は「こんなことが起きるとは思っていませんでした」と語り、会場を沸かせた。

デビューから14年——積み上げたキャリアの厚み

2012年にアニメ「となりの怪物くん」で声優デビュー。その後、魔法使いの嫁でチセ・ハトリ、BEASTARSでジュノと、個性の異なるキャラクターを着実に演じ続けた。

転機となったのは2020年10月から始まったドラゴンクエスト ダイの大冒険。少年主人公・ダイを演じた種崎の熱演が高く評価され、業界内での評価が大きく跳ね上がった。そして2022年4月のSPY×FAMILY放送開始でアーニャが社会現象レベルの人気を獲得し、ついに時代の声優の地位を確立した。

声が違いすぎる——その秘密はどこにある

声優としての技術で特に難しいとされるのが、質の全く異なる複数の声を自然に使い分けることだ。アーニャは幼い子どもの声で、感情豊かに表現する役。フリーレンは長命種の距離感と静けさを声だけで伝える役。この幅を実現できる声優は多くない。

種崎が所属する東京俳優生活協同組合(通称・俳協)は、舞台俳優としての訓練も重視する事務所で知られる。声だけでなく全身の演技を土台にした種崎のアプローチが、この驚異的なレンジを支えているとも言われている。

今まさに「種崎敦美の全盛期」を目撃している

葬送のフリーレンは累計発行部数2000万部超えの人気原作を持ち、アニメも放送のたびに話題を集め続けている。フリーレンという複雑な内面を持つキャラクターを声で表現し続ける種崎の仕事は、今後の声優業界においても長く語り継がれるものになるはずだ。

まだSPY×FAMILYも葬送のフリーレンも見ていないなら、ぜひ両方を続けて見てほしい。同じ声が、全く違うふたりの人生を生きている——その体験は、アニメ視聴の新しい楽しみ方を教えてくれる。

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