大森元貴、ソロ5周年1stミニアルバム『OITOMA』—Mrs. GREEN APPLEのレコ大3連覇の陰で育てた“もう一人の自分”

大森元貴 ソロ OITOMA ライブコンサート 音楽
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ミセスの大森元貴がソロをやっているのは知っている。でも、正直「ちゃんと聴いたことはない」という人が多いのではないだろうか。そんな人ほど、2026年2月24日にリリースされた大森元貴のソロ1stミニアルバム『OITOMA』を手に取ってほしい。これは、Mrs. GREEN APPLEのフロントマンが5年かけて育てた「もう一人の自分」の記録だ。

ソロデビュー5周年の節目に、初めてのアルバム

大森元貴がソロ活動を始めたのは2021年2月24日。Mrs. GREEN APPLEが「フェーズ1完結」としてバンド活動を休止していた時期だった。デジタルEP「French」1曲から始まったそのソロは、5年後の同じ日付——2026年2月24日——に初のミニアルバム『OITOMA』という形で結実した。「OITOMA」という言葉は方言の「おいとまします」に由来するとも言われる。バンドという大きな家から少し離れ、自分だけの部屋で作った音楽。その感覚がアルバム全体を貫いている。

「0.2mm」が開いた新しい扉

収録6曲の中でも特に注目したいのが、映画『90メートル』(2026年3月27日公開)の主題歌「0.2mm」だ。山時聡真と菅野美穂がW主演を務めるこの映画のために書き下ろされた楽曲で、大森ソロとしては初の映画タイアップとなった。タイトルの「0.2mm」はシャープペンシルの芯の太さ。細くて折れそうだけど、線を引き続ける——そんなイメージが映画のストーリーとリンクしている。これまでのソロ曲と比べ、より映像的で物語性の強い仕上がりになっている。

バンドの成功と、ソロの孤独

Mrs. GREEN APPLEとしての大森元貴は、現在まさに全盛期を走っている。2023年「ケセラセラ」、2024年「ライラック」、2025年「ダーリン」と、日本レコード大賞を3年連続で受賞。これはMrs. GREEN APPLEとして初の快挙で、3連覇自体も邦楽史上3組目という偉業だ。そんな絶頂期にあえてソロ活動を続けることに、どんな意味があるのか。答えは『OITOMA』を聴けばわかる。Mrs. GREEN APPLEのポップでエモーショナルな世界観とは異なる、より内省的で実験的な音楽がそこにある。バンドでは見せない感情の「余白」を、ソロという場所で丁寧に埋めているのだ。

同じ春に響く「産声」という偶然

ちょうど同じタイミングで、Mr.Childrenも新しいアルバムをリリースしている。タイトルはまさに「産声」(2026年3月25日発売)。桜井和寿が「今日を生きている、それだけで意味がある。そう感じられた時、新しい命が胸の中で産声をあげる」とコメントしたこの作品は、偶然にも『OITOMA』が投げかけるテーマと静かに共鳴している。世代を超えたJ-POPのアーティストたちが、この春に同時多発的に「生まれること」「存在すること」を歌っている——そこにJ-POPという音楽が持つ普遍的な力を感じる。

5年間の旅を経て

5年という時間は短くない。バンドが急成長する中、ソロという小さな火を絶やさずに持ち続けた大森元貴。『OITOMA』はその証明であり、これからの音楽人生を予感させる一枚でもある。まずはソロデビュー曲でもある「French」か、映画主題歌「0.2mm」から聴いてみてほしい。きっと、あなたの知らない大森元貴がそこにいる。

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