2026年、ONE OK ROCKがアジアを揺らしている。9カ国・地域の大型会場を次々と埋めていくDETOX ASIA TOUR 2026は、「日本のバンドのアジア遠征」という言葉では到底くくれない規模に達している。ONE OK ROCKはいま、何を証明しようとしているのか。
アルバム「DETOX」が火をつけた
2025年2月21日、約2年半ぶりとなる11枚目のアルバム『DETOX』がリリースされた。結成20周年を迎えたONE OK ROCKが放ったこの作品には、エレクトロニックサウンドとロックを融合させた「Tropical Therapy」、骨太なリフが炸裂する「NASTY」など全11曲が収録されている。「Puppets Can’t Control You」はTBSの日曜劇場『御上先生』の主題歌に起用され、ドラマを入口にONE OK ROCKを初めて知ったというリスナーも少なくなかったはずだ。「毒を出す」という意味を持つアルバムタイトルには、従来のイメージを脱ぎ捨て進化を続けようとするバンドの意志が込められている。
バンコクから上海まで——9都市を走る
DETOXアルバムリリースから約1年、2026年2月に始まったDETOX ASIA TOUR 2026は圧巻のスケールだ。バンコクのImpact Arena(2月21日)を皮切りに、ソウルのJamsil Arena(2月27・28日)、マニラのSM Mall of Asia Arena(3月4日)、シンガポールのSingapore Indoor Stadium(3月8日)と続く。4月には台北ドーム(4月25日)、クアラルンプールのAxiata Arena(4月29日)、香港のCentral Harbourfront Event Space(5月2・3日)、上海の上海虹口足球場(5月9日)、そしてジャカルタのIndonesia Arena(5月16日)でフィナーレを迎える。いずれもアジア屈指の大型アリーナやスタジアムばかりだ。
知られざる事実——国立競技場を「主催」している
多くの人が見落としているファクトがある。ONE OK ROCKはアジアをツアーで回りながら、同時に国内でも前例のない挑戦を敢行しているのだ。2026年4月4日・5日、MUFG STADIUM(国立競技場)で開催される「docomo presents THE MUSIC STADIUM 2026 organized by ONE OK ROCK」——この巨大フェスをオーガナイズしているのがONE OK ROCK自身だ。4日はUVERworld、5日はYOASOBIというそれぞれの時代を代表するアーティストと同じステージに立つ。「日本の音楽の未来を形作る」というコンセプトを掲げたこのイベントは、単なるライブ公演ではなく、ONE OK ROCKが日本の音楽シーン全体に向けて発したメッセージでもある。
Toru——設計者としてのリーダー
ボーカルのTakaが「顔」として注目されがちな中で、ギタリスト・Toruはバンドのリーダーでもある。鋭いリフワークと空間系エフェクトを駆使した立体的なギターサウンド、そして作詞・作曲家としての顔。アルバム制作からツアーの構想まで、ONE OK ROCKというプロジェクト全体の設計者として機能しているのがToruという人物だ。DETOX ASIA TOURの規模感、THE MUSIC STADIUM 2026の構想——これらはToruが描いてきたビジョンの具現化に他ならない。
ジャパニーズロックは、もう証明フェーズを終えた
かつて日本のバンドが海外進出を図る際には、どこか「認めてもらう」という姿勢が透けて見えた。だがONE OK ROCKは今、アジア9都市の大型会場を当然の舞台として選び、同時に国内では自ら音楽フェスをプロデュースしている。「MORE TO BE ANNOUNCED」——オフィシャルサイトにはまだこの文字が残っている。DETOX ASIA TOURの次に何が来るのか。答えは、Toruがすでに描いているはずだ。


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