2026年3月、ついに始まった。ジョジョの奇妙な冒険第7部スティール・ボール・ランのアニメがNetflixで配信開始となり、荒木飛呂彦ファンの間で歓喜の声が広がっている。ここで視線を作品から作り手へと移してみたい。60代にして現役で走り続ける男、荒木飛呂彦という漫画界の不思議について。
老いない男の自己管理術
荒木飛呂彦は1960年生まれ。公の場に姿を見せるたびにSNSが騒然となる。本人は規則正しい睡眠・適度な運動・食事管理を徹底しているという。朝型の生活で週に複数回ジムへ通い、執筆に集中できる環境を守っている。徹底した自己管理がその実態だ。波紋という概念がジョジョ第1部・第2部の核にあるが、東洋的な生命エネルギーの思想を荒木流にアレンジしたもの。体と精神の調和を信じる作者の哲学が世界観になっている。
部を超えて進化し続ける物語
1987年、少年ジャンプで連載開始。以来、部を改めるたびに時代・舞台・主人公を一新してきた。ジョナサンから始まり、ジョセフ、承太郎、仁左衛門、ジョルノ、そしてSBRの主人公ジャイロとジョニィへ。荒木は同じキャラクターを描き続けると読者も作者も成長が止まると語っている。第7部の舞台は19世紀末のアメリカ大陸横断レース。連載39年を超え、2023年開始の第9部The JOJOLandsも現在進行形だ。
スタンドに宿る人間哲学
荒木の創作論で繰り返し登場するのが人間の強さへの敬意というテーマだ。スタンドは内面の強さが外に出た姿であり、デザイン段階でキャラクターの人間性を固めてから形を決める。第7部の主人公ジョニィは下半身麻痺という制約を持ち、弱さを抱えたまま走り続ける姿に荒木の哲学が凝縮されている。
今こそ荒木飛呂彦の世界へ
まだアニメを見ていないなら今すぐNetflixを開く価値がある。あるいはコミックスを手に取って大陸を走る男たちの物語を先に体験してから映像と見比べるのも、荒木飛呂彦という作家の深さを楽しむひとつの方法だ。


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