AIが裁判官になる日は来るのか——そんな問いを、SFではなく今ここの話として突きつけてくる作品が現れた。NHKの特集ドラマ「有罪、とAIは告げた」が2026年3月28日(土)19時30分、NHK BSプレミアム4Kで放送される。原作は人気作家・中山七里のリーガルミステリ小説。脚本はNHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」「ひよっこ」を手がけた浅野妙子。主演は芳根京子——NHKドラマへの登場は約5年ぶりとなる。
AIが「死刑」と判定した日
物語の舞台は近未来の東京地裁。主人公・高遠寺円(芳根京子)は、AIシステム「法神(ほうしん)」の検証役を任された新人判事だ。膨大な裁判データを学習した法神は、ベテラン判事と遜色のない精度で判決文を瞬時に出力する。そこへ持ち込まれたのが、18歳の少年が実の父親を刺殺したという事件。感情も経験も持たない法神が弾き出した答えは「死刑」だった。少年の成育歴、家庭環境、事件に至るまでの人間的文脈——そういった「データに収まらないもの」をアルゴリズムは汲み取れるのか。
「正確」と「正しい」は別物だ
AIの判断が正確であることと、倫理的に正しいことは同義ではない——この問いは2026年の私たちにとってリアルだ。実際、アメリカでは量刑判断の参考に使われたリスク評価ツール「COMPAS」が人種バイアスを内包していたとして社会論争を招いた。退官間近の裁判官・檜葉を演じる國村隼はAIの能力に強い関心を示し、対して円は人間の判断を機械に委ねることへの抵抗を崩さない。
芳根京子が「今」NHKで選んだ理由
「脚本を読み進めるほどに、この物語が投げかける深い問いに強く惹かれました」——芳根京子はそう語る。2016年の朝ドラ「べっぴんさん」でブレイクし、舞台・映画と活動の幅を広げてきた彼女が5年ぶりのNHKで選んだ役は、正義とテクノロジーの狭間で揺れる新人判事。共演には風吹ジュン、臼田あさ美、橋本淳ら実力派が揃う。
放送前に押さえておくべきこと
原作・中山七里の同名小説はすでに発売中。「AI×司法」「機械学習と倫理」といったキーワードで現実のニュースを調べると、このドラマの問いがSFではなく現在進行形だと実感できる。3月28日(土)、AIが「死刑」と告げた法廷で、あなたはどちら側に立つか。


コメント