配信からわずか5日で52冠。MVは最速1000万再生を突破。King Gnuの新曲「AIZO」が2026年のJ-POPシーンに突き刺さった。呪術廻戦第3期OPという看板だけでは説明がつかない。
ドラムンベースとは何か——そして「AIZO」との接続
ドラムンベースとは1990年代にロンドンで生まれた電子音楽ジャンルだ。BPMは160から180と非常に速く細かく刻まれたドラムのリズムパターンが特徴。そこに三味線と笙(雅楽系の管楽器)を組み合わせたのが「AIZO」だ。三味線の乾いた弦音と笙の持続するハーモニーは本来ならドラムンベースのビートとは相性が悪い。しかし常田大希はその衝突をそのままぶつけた。ぶつけたまま曲として成立させた。そこに「AIZO」の異質さがある。
King Gnuの実験の系譜——「白日」から「AIZO」へ
2019年の「白日」でメインストリームに踊り出て以来King Gnuは毎回違う顔を見せてきた。2022年の「一途」(呪術廻戦 渋谷事変編ED)はロックとR&Bの交差点、「逆夢」は民謡スケールを取り込んだ実験作、渋谷事変編OPの「SPECIALZ」(2023年)はポストパンクの質感を前面に出した。「AIZO」はこの系譜における最も振り切った一手だ。
52冠の背景——呪術廻戦との感情的シンクロ
呪術廻戦の渋谷事変終盤との感情的シンクロが52冠の背景にある。「AIZO」の歌詞は喪失と怒りを核に持ち主人公・虎杖悠仁の感情と鋭く共鳴する。さらにドラムンベース特有のイントロから引き込むリズム構造はTikTokやYouTubeの短尺動画とも高相性だった。
まずイヤホンで聴いてほしい
King Gnuが「AIZO」で証明したのはJ-POPのど真ん中に誰も試みなかった組み合わせを置けるという事実だ。和楽器とドラムンベース、伝統と反逆。まずイヤホンで聴いてほしい。最初の8小節で何かが変わる。


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