Steam同接25万人・200万本なのに賛否両論——紅の砂漠が巻き起こした新世代ゲーム論争の核心

砂漠の夕景——紅の砂漠(Crimson Desert)イメージ ゲーム
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発売から24時間で200万本、同時接続プレイヤーは約24万8,000人超。それでもSteamのレビューは「賛否両論」——この矛盾こそが、紅の砂漠(Crimson Desert)というゲームの本質を映し出している。

7年待った夜の熱狂

2026年3月19日、Pearl Abyssが約7年の開発期間を経てリリースしたCrimson Desertは、発売直後からSteamチャートを席巻した。ピーク時の同時接続者数は248,530人。発売4日後には全プラットフォーム累計300万本を突破し、売上換算では約140億円規模に上ると試算されている。PS5・Xbox Series X/S・PC(Steam、Epic Games Store)と主要プラットフォームを網羅した同時展開も奏功し、日本でも発売週末は「紅の砂漠」がトレンド入りを果たした。

数字だけ見れば文句なしの大成功だ。ではなぜ、これほどの話題作がSteamで「賛否両論」スタートを切ることになったのか。

批判の核心——「序盤で心が折れる」

初日12時間で5,000件近い否定的レビューが投稿され、肯定率は58〜66%で推移した。批判は大きく3つの柱に集約される。まず操作性だ。メニューとインベントリ(アイテム一覧)の操作が直感に反すると多くのプレイヤーが指摘した。「AAAタイトルの中でも最悪のUI」という辛辣なレビューが拡散した。次に序盤の難易度スパイク——急激な難易度の跳ね上がり——だ。チュートリアル直後のボス戦が突如として高難度になり、それまでの戦闘体験との落差が大きすぎると批判された。そして情報量の洪水。多数のシステムが序盤から一気に開放されるため、何をすべきかわからず迷子になるプレイヤーが相次いだ。さらに発売後にはゲーム内にAI生成素材が含まれていたことが発覚。Pearl Abyssは謝罪し監査を行うと発表した。

「スルメゲー」として再評価される理由

しかし、プレイ時間が伸びるにつれて評価の温度は変わり始める。序盤の急峻な壁を乗り越えた先に広がるのは、BlackSpaceエンジンが生み出す圧倒的なビジュアルと、パイウェル大陸の作り込まれた世界だ。アカペン平原から極寒のクワイデン地方、砂漠地帯へと続く多様な環境は、どこを歩いても風景が絵になる。戦闘システムも慣れれば高評価に転じるケースが多い。Pearl Abyss独自の重みあるアクションは、敵を仕留めた瞬間の手応えが心地よく、中毒性がある。「序盤さえ乗り越えればやめられなくなる」——まさにスルメゲーの典型的な構造だ。

黒い砂漠との関係——別宇宙だが同じ血

Crimson Desertを語るうえで避けられない文脈が、同じPearl Abyssが運営するMMORPGの黒い砂漠(Black Desert Online)だ。もともとは黒い砂漠の前日譚として企画されたが、開発を経て完全に独立した別世界・別宇宙の作品として生まれ変わった。直接的なストーリー上のつながりはないが、BlackSpaceエンジンの強化版を共有しており、グラフィック表現がさらに向上している。

発売1週間後——評価は動いている

Pearl Abyssは批判を受けて素早いパッチ対応を行い、Steam評価は「概ねポジティブ」へと改善しつつある。「200万本売れて賛否両論」という初期の見出しは今やゲーム史に残る矛盾として語られるかもしれない。だが裏を返せば、それだけ多くの人が期待し、正直に評価したということでもある。序盤の不親切さに辟易して積んでいるなら、今がもう一度コントローラーを握るタイミングかもしれない。

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