リリースから3ヶ月後に、チャートが再び動いた。
2025年10月24日、LE SSERAFIMが1stシングル「SPAGHETTI」を世に放った。リリース直後こそオリコンデイリーシングルランキングで1位を獲得したものの、2026年2月に発売から約3ヶ月後、異例のチャート逆走で再び1位を奪取。2026年3月時点での累計再生数は277万回を超えた。
「SPAGHETTI」は、LE SSERAFIMというグループが新しい扉を開けた瞬間の記録だ。なぜ今この曲が語られるべきなのか、その背景を紐解いていく。
LE SSERAFIMとは——「恐れを知らない」という名前の重さ
LE SSERAFIMは2022年5月2日、HYBEのサブレーベルSOURCE MUSICからデビューした5人組ガールズグループ。メンバーはHKT48・IZ*ONE出身の宮脇咲良(サクラ)、キム・チェウォン、ホ・ユンジン、オランダ国立バレエアカデミー留学経験を持つ中村一葉(カズハ)、最年少のホン・ウンチェの5人。グループ名はI’M FEARLESSのアナグラムで、Spotifyでは「FEARLESS」単曲で1.7億回以上の再生数を記録している。「ANTIFRAGILE」「EASY」「CRAZY」などの代表曲で強靭なコンセプトを積み重ねてきた。
「SPAGHETTI」の全貌——BTSのJ-Hopeという驚き
「SPAGHETTI」のフィーチャリングアーティストがBTSのJ-Hope(ジェイホープ)だったことが、世界中のK-POPファンを驚かせた。LE SSERAFIMのファン(ルミ)だけでなく、ARMYも一斉に注目した。強気なビートではなく、恋愛における期待と不安が交差する柔らかく感情的なサウンドは、これまでのLE SSERAFIMとの鮮明なコントラストを生んだ。英語バージョン、メンバーバージョンなど複数形態でリリースされたことも、幅広い層へのリーチを意識した戦略的な布石だ。「スパゲッティ」という言葉が持つイメージ——固くなく、からまり合い、つながっていく——は「孤高の強さ」を纏ってきたLE SSERAFIMとの意図的なコントラストを形成している。
「逆走」現象の正体——なぜ3ヶ月後に再び1位になったのか
2026年2月——リリースから約3ヶ月後——に再びオリコンデイリーシングルランキング1位を獲得した。TikTokやInstagram Reelsでの口コミ拡散、J-Hopeへの注目の高まり、そして楽曲自体の中毒性。これら三つの要因が重なり、異例のロングラン人気を実現した。発売直後の爆発的なヒットとは異なる、じわじわと浸透していくロングテール型の人気がこの曲の本質的な強さだ。
HYBEが読んだ市場——「脱ガールクラッシュ」という潮流
「ガールクラッシュ」スタイルのグループが乱立し差異化が難しくなる中、HYBEは「等身大」「共感」「日常の感情」を前面に出す路線へのシフトを選んだ。J-Hopeとのコラボでは既存ファンの枠を超えてARMYという巨大ファンコミュニティへのリーチも同時に達成している。コアファンと新規層への二重のアプローチが、277万回再生に結実した。
カズハと宮脇咲良——日本市場への二つの橋
中村一葉(カズハ)はオランダ国立バレエアカデミー留学からK-POPへという異色キャリアの持ち主。バレエで培った優雅な動きと繊細な表現力がグループのパフォーマンスに奥行きを与えている。宮脇咲良(サクラ)はHKT48・IZ*ONE出身で長いエンタメキャリアを持ち、J-POPファンにとっての入口として機能している。「SPAGHETTI」の柔らかな世界観は、この2人が持つ日本的な感性との親和性が高く、日本市場での裾野拡大に貢献する。
「FEARLESS」から「SPAGHETTI」へ——変化こそが哲学
「ANTIFRAGILE」「EASY」「CRAZY」と自らをアップデートし続けてきたLE SSERAFIM。「恐れを知らない」という名前は強さの誇示だけではなく、変化を恐れない勇気をも意味する。柔らかさを選んだ「SPAGHETTI」も、やはり彼女たちらしい一歩だ。
まとめ
- 「SPAGHETTI」は2025年10月24日リリース。J-Hope(BTS)フィーチャリングで話題沸騰
- 2026年2月のチャート逆走で再び1位。累計再生数は277万回超
- 脱ガールクラッシュ路線はK-POP市場の飽和へのHYBEの戦略的回答
- カズハ(中村一葉)・宮脇咲良(サクラ)が日本市場への共感軸を担う
- SNS拡散と楽曲の中毒性がロングテール型人気を支えた
まだ「SPAGHETTI」を聴いたことがない方には、今すぐストリーミングサービスで再生することをすすめる。J-Hopeとカズハの声が重なる瞬間、強さだけじゃないLE SSERAFIMの新しい魅力に気づくはずだ。


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