5万人の中の1人が、今度は深夜ラジオで日本全国に声を届ける。日向坂46・正源司陽子に訪れた「個人の時代」の幕開けを追った。
5万人を超えた、その日のこと
正源司陽子が日向坂46に加入したのは2022年9月21日。4期生オーディションには約50万人が応募したとされており、そのなかを勝ち抜いたのが兵庫県出身の彼女だった。
芸能界未経験からのスタートだったが、関西人特有の人懸っこさと自然体のトーク力は、デビュー直後から際立っていた。握手会やライブで「この子は何かある」と感じたファンも多く、加入からわずか1年余りで冠コンテンツを任されるポジションへと成長する。坂道グループのオーディションは競争倍率が高いことで知られるが、5万人という数字はその中でも異例の規模だ。
深夜ラジオが証明した「しゃべり」の本物さ
転機となったのは2025年8月の出来事だった。オールナイトニッポン0(ZERO)に初登場した正源司陽子は、放送中にX(旧Twitter)でトレンド1位を獲得。深夜の時間帯のラジオ番組でこれほどの反響が生まれるのは、普通のことではない。
アイドルがラジオに出るとき、しばしば「読み原稿をなぞるだけ」になりがちだ。しかし正源司の場合、その場の空気を読みながら言葉を選び、笑いを取り、時に真剣な話もする。このフリートークの自然さこそが、リスナーを引き寄せた要因だろう。テレビとラジオの決定的な違いは「言葉だけで伝えなければならない」という制約にある。映像的な演出で補えないぶん、パーソナリティの素の魅力がそのまま露出する。
ANNXという「大舞台」で何を語るのか
2026年4月3日、正源司陽子はオールナイトニッポンX(クロス)木曜担当レギュラーパーソナリティに正式就任する。ANNXは若手芸人やミュージシャンも挑戦する、本格ラジオの登竜門的存在だ。かつてオールナイトニッポンはさまざまなアーティストや文化人が毎週のリスナーと深夜に言葉を交わしてきた、歴史ある番組だ。本人は就任にあたり「前代未聞なことをやりたい」と語っており、アイドルらしさと深夜ラジオらしい本音のトークをどう両立させるかが、今後の見どころとなる。
「正源司陽子」という個人の時代へ
日向坂46のグループ活動と並行して、正源司陽子の個人活動はここ数カ月で急加速している。雑誌表紙への掲載や映像作品への参加など、グループのイメージを超えた活躍が続いている。こうした動きは「坂道グループが個人をどう育てるか」という観点でも興味深い。正源司陽子はその波に乗りながら、2026年春を起点に「グループの一員」から「正源司陽子という個人」へとステージを移しつつある。ANNXの深夜に合わせてradikoを起動したとき、あなたはきっとその変化をリアルタイムで体感できるはずだ。


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