最終回の放送当日、Xのトレンドにラムネモンキーが2000件超えで登場した。号泣したという投稿の横にあの終わり方は釈然としないという声が並ぶ。古沢良太が脚本を手がけたこのドラマが、ラムネモンキー最終回という形で幕を下ろした夜のことを振り返りたい。これほど見終えた後も語り合いたくなる作品が今クールにあったことを記録しておく価値がある。
賛否が割れた結末——「着地」か「尻切れ」か
最終回を見た視聴者の感想は大きく2つに分かれた。3人がそれぞれ自分の答えを見つける展開に泣いたという声と、もっと踏み込んだ変化が見たかったという物足りなさだ。
この温度差の正体は古沢良太の脚本スタイルにある。リーガルハイやコンフィデンスマンJPなど多くのヒット作を手がけてきた彼は、登場人物が劇的に変わるカタルシスより、自分と世界との折り合いを見つける展開を好む。ラムネモンキーも例外ではなく3人が大きく人生を変えるわけではない。ある者は小さな一歩を踏み出し、ある者は今の自分をそのまま受け入れる。
その静かな着地に感動した人と爽快なカタルシスを期待していた人の間で評価が割れた。ただトレンド2000件超えという数字は、賛も否も含めて語りたくなるドラマだったことの証明だと思う。
51歳で青春を「回収」するということ
青春回収コメディというジャンル定義がこのドラマの芯を突いている。取り戻すではなく回収するという言葉選びが面白い。回収とはかつて置いてきたものを遅れてでも拾い上げる行為だ。
反町隆史・大森南朋・津田健次郎が演じる幼馴染みの3人はそれぞれリストラ・離婚・夢の断念という静かな失敗を抱えている。ドラマチックな不幸ではなく誰にでも起きうる地味な挫折だ。その地味さが30〜40代の視聴者に他人事じゃないと感じさせる。
51歳という年齢の設定は意図的だろう。定年まであと10年前後、まだ何かが間に合う気もする。その今ならまだという感覚をコメディのテンポで軽やかに描いたことで説教臭さを回避した。
反町・大森・津田——3人が担ったもの
反町隆史はGTO以来突き抜けた男のイメージをまとってきた俳優だ。今作ではその感を50代なりの不器用さに変換し等身大の中年を演じた。大森南朋は繊細な内面描写に定評があり最も内側の迷いを体現した。津田健次郎は声優としても知られる独特のトーンがコメディとシリアスの境界をなめらかに渡る場面で効果を発揮した。
3人の組み合わせがただのおじさん3人に見えないのは、このキャスティングの妙だ。
Bialyststocksが作り出した「漂う」空気
音楽を担当したBialyststocksはジャズとポップを行き来するような独特のサウンドで知られる2人組だ。彼らの楽曲が全編を通じて流れることでドラマに宙ぶらりんな感じが生まれた。ラムネという言葉が持つ甘酸っぱい郷愁とモンキーという愛嬌——このタイトル自体が作品の空気感を一言で表している。
「賛否」があるから、語られ続ける
最終回が放送されて数日が経った今もSNSでは断続的に感想が投稿されている。これほど余韻が続くドラマは今クール全体を見ても珍しい。各配信サービスで全話視聴できる。最終回の結末が賛か否か、実際に見た後で自分の中で答えを出してほしい。51歳の3人が探したものは、あなたが今うっすらと探しているものと、きっとどこかで重なっているはずだ。


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