デビューから8ヶ月で紅白歌合戰のステージに立ったK-POPグループが存在する。ILLIT(イリット)—2024年3月にデビューしたHYBEの第5世代グループが、日本の音楽シーンに仕掛けた上陸作戦は、従来のK-POP戦略とはひと味違う動き方をしていた。紅白連続出場を射止めた彼女たちの戦略を解剖する。
紅白2年連続出場という異常値
NHK紅白歌合戰への出場は、日本の音楽シーンにおいて一種のお垒付きだ。2024年末、ILLITはデビュー年にこの舞台に立った。さらに翌2025年末も連続出場を果たし、K-POPグループとしては異例のスピードで日本の年末音楽に定着した存在となった。通常、海外アーティストが紅白に出場するまでには、数年にわたる日本市場での実績が求められる。BTS(防弾少年団)が初出場したのはデビューから7年目にあたる2020年末のこと。ILLITのそれが異常値であることは、この比較だけで十分伝わる。
アニメ主題歌が開いた扉
2024年のILLITの動きで最も戦略的だったのが、TVアニメ「姫様拷問の時間です」のオープニングテーマ「Sunday Morning」の起用だ。アニメファンとK-POPファンは、これまで重なりそうで意外と交わりにくい層だった。しかし人気ラブコメアニメのOPとして毎週流れることで、アニメから入ってILLITを知った新規ファンが急増した。メンバーのイロハが日本人であることも、SNSでの拡散力を高める一因になっている。
Mega Shinnosukeとのコラボが刈さった理由
2024年、ILLITは日本のシンガーソングライター・Mega Shinnosukeとのコラボを実現した。シティポップ×現代R&Bの文脈で 20代に支持される音楽家との協業は、J-POPリスナーにも響く音楽性を持っているというシグナルだ。日本レコード大賞で優秀作品賞を受賞したことも、こうしたJ-POP文脈への接続の成果として見ることができる。
数字が証明する日本ファースト戦略
デビュー曲Magneticは Spotify日本チャートで急上昇し、K-POPとしては異例の速さで一般リスナーへ洸透した。2024年の日本公演はチケット即日完売を記録し、2025年にはさらに規模を拡大した単独ツアーを開催している。アニメ主題歌、日本人メンバーの起用、J-POPアーティストとのコラボ——これらは日本のカルチャーに溶け込むという意図的な設計の産物だ。「Sunday Morning」が気になったなら、まずはMVを見てみてほしい。


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