3月13日、公開3日間で興収3.7億円——この数字が何を意味するか、少し考えてほしい。邦画の実写化続編はヒットしても前作を超えられないことが多い。そのジンクスに真っ向から挑んでいるのが、東宝配給の映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』だ。2024年公開の第1弾は最終興収約29億円という予想外の大ヒットを記録したが、果たして今作はその壁を越えられるのか。
「明治の北海道」を映像でここまで再現できるとは
原作漫画『ゴールデンカムイ』(野田サトル著、集英社)は2014年から2022年まで連載された作品で、明治末期の北海道を舞台に元陸軍兵・杉元佐一がアイヌの少女アシリパとともに隠された金塊を追う物語だ。骨太な歴史描写とブラックユーモアが混在するカオスな世界観で知られる。本作は北海道・網走の厳冬を再現したオープンセットと実際の史跡を組み合わせた映像美で観る者を明治の空気ごと連れていく。特に網走監獄を舞台にした後半の攻防戦は天井の低い監獄建築の閉塞感が画角に反映されており緊張感が段違いだ。
山﨑賢人・眞栄田郷敦、二人の身体が語るもの
山﨑賢人(杉元佐一役)と眞栄田郷敦(尾形百之助役)のアクションシーンも特筆すべき点だ。眞栄田郷敦が演じる尾形は原作屈指の人気キャラクターでその静かな狂気が本作の緊張の軸になっている。二人の対峙シーンは台詞より間が語っており心理戦として面白い。山田杏奈が演じるアシリパは今作では外の世界への戸惑いが物語の感情的な核になっている。
「原作ファン」と「映画だけ派」、どちらで見るべきか
正直に言う。本作単体での完結度は第1弾より下がっている。前作を見ていない場合、冒頭の人間関係の整理が追いつかない場面がある。原作または第1弾の予習はほぼ必須だ。一方で原作既読者にとっては伏線の配置と実写ならではのリアルな重さが楽しめる2時間になっている。
続編ジンクスを乗り越えるための、あと一手
初週3位・3.7億円というスタートは堅実だ。前作超えには口コミ拡散が鍵を握る。本作の武器は見た人が語りたくなるシーンが複数あること。ジンクスを破るかどうかはこの週末に映画館へ足を運ぶあなたにかかっている。映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』は2026年3月13日より全国東宝系にて公開中。


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