2026年2月13日、劇場版『僕の心のヤバイやつ』が公開されると、SNSには「山田杏奈の声が劇場で聴けるなんて」という興奮が溢れた。声優・羊宮妃那——今、アニメファンの間でもっとも勢いのある名前のひとつだ。
劇場のスクリーンで響いた、声と歌の二重奏
TVアニメから続くラブコメ「ぼくヤバ」で、羊宮妃那は主人公が密かに想いを寄せる人気者・山田杏奈を演じてきた。外見は完璧でありながら天然でズレている——そんなキャラクターの絶妙な間合いを、独特のトーンで体現してきた。
そして劇場版では主題歌の「歌ってみた」動画も公開。声優がキャラクターとして歌うだけでなく、自分自身として作品に向き合う形で届けた。これは作品への深い理解と歌唱力の両方が要求される、別次元の挑戦だ。
高松燈として生きた日々——MyGOが変えたもの
「ぼくヤバ」と並行して彼女の名を広く知らしめたのが、2023年放映の『BanG Dream\! It’s MyGO\!\!\!\!\!』。演じた高松燈は、感情をうまく言語化できずにぶつかってしまうバンドのボーカル。その繊細で不器用な人間性を、台詞だけでなく歌声でも表現した。
「キャラクターと一緒にいると笑顔になれる」という羊宮の言葉には、プロ意識を超えた何かがある。多くのファンが「燈ちゃんの声以外考えられない」と口を揃えるのは、その密着した関係性が声に滲み出るからだろう。
2019年のオーディションから声優アワード受賞まで
羊宮妃那が声優の道を本格的に歩み始めたのは、2019年に行われた『サクガン』(2021年放映)のオーディションがきっかけだ。ファイナリスト止まりだったが、その実力を認めた青二プロダクションがジュニアとして迎え入れた。2020年4月のことだ。
そこからわずか5年——2024年の第18回声優アワードで新人声優賞を受賞し、2025年4月には正所属に昇格した。この速度で駆け上がる例は業界でも多くない。
ギターを弾き、詞を書く「声優以上」の顔
忘れてはいけないのが、声優業の外側にある顔だ。趣味はアコースティックギターの弾き語りに作詞・作曲。文化放送のラジオ「羊宮妃那のこもれびじかん」でも実際に披露している。
声優が歌えるのは今や珍しくない。だが、自分で詞を書きギターをかき鳴らすアーティスト性は別次元の話だ。演じることと表現することが繋がっている——その一貫性が羊宮妃那というキャリアに滲み出ている。
2026年、静かに始まる本格ブレイクの予感
2026年10月には『ホテル・インヒューマンズ』第2期への参加も決定。出演作はさらに広がる。複数メディアが「2026年ネクストブレイク女性声優」と名指しするが、ファンの目には既に「ブレイク後」に映っているかもしれない。
劇場版ぼくヤバをまだ観ていないなら、今すぐ映画館へ向かう理由は十分にある。スクリーンの中で山田杏奈が微笑むとき、その声の奥にある羊宮妃那という声優の輪郭が、きっと見えてくる。


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