2026年、あの人がまた主演している。
映画館のポスターを見上げると、そこには山崎賢人の顔がある。配信サービスを開くと、山崎賢人が出ている。7月の公開予定を調べると、また山崎賢人だ——気づけば2026年の日本映画シーンは、ひとりの俳優を中心に回っている。
2026年、三本の矢が同時に飛ぶ
2026年3月現在、山崎賢人が主演・主要キャストを務める映画が立て続けに公開・公開予定となっている。春に公開された話題作に加え、7月には「キングダム」シリーズの最新作も控える。「キングダム」は2019年の第1作が57億円を超える興行収入を記録し、シリーズ累計では200億円規模に達するとされる国民的大作だ。
同じ俳優が同一年に複数の大型作品で主演するケースは、日本映画界でもそう多くない。プロモーション疲れや食傷感を指摘する声もあるが、不思議と山崎賢人の場合はそれが起きにくい。理由のひとつは、彼が選ぶ作品がジャンルもトーンも毎回異なるからだ。
実写化請負人と呼ばれる理由
山崎賢人が主演した実写映画のうち、国内興行収入10億円を超えた作品は複数ある。「キングダム」(2019年・57.3億円)、「ゴールデンカムイ」(2024年・実写映画として異例のロングランヒット)、「今際の国のアリス」は映画ではなくNetflixドラマだが、2021年の配信開始から世界190か国以上でトップ10入りを記録した国際的なヒット作だ。
ネットでは「実写化請負人」という呼称が定着しているが、彼自身がその言葉を肯定したことはほぼない。インタビューで語るのはいつも「原作への敬意」と「チームとして作る現場への信頼」——つまり、作品を俯瞰する視点ではなく、現場に没入する姿勢だ。
選んでいるのか、選ばれているのか
俳優の作品選びを外から語るのは難しい。オファーの数、スケジュール、事務所の判断、監督との縁——表に出ない変数が多すぎる。
ただ、山崎賢人のフィルモグラフィーを並べると、一定のパターンが見えてくる。原作ありの作品が多く、かつその原作はいずれもコアなファンベースを持つ作品ばかりだ。「ジョジョの奇妙な冒険」「キングダム」「ゴールデンカムイ」「今際の国のアリス」——どれも原作ファンが極めて多く、かつ実写化のハードルが高いとされていた作品である。
1993年生まれ、32歳の現在地
山崎賢人は1993年9月7日生まれ、現在32歳。スターダストプロモーション所属。2012年に映画初主演を務めてからちょうど14年が経つ。
20代前半のころ、彼はインタビューで「自分の演技はまだ荒削りだと思っている」と繰り返していた。30代に入った今も、大きな自己評価の言葉を口にしない。日本アカデミー賞の優秀主演男優賞にも名前が挙がるようになった今、その静けさはかえって際立つ。
2026年の次を、誰より早く見ている
7月の「キングダム」が終わったあと、山崎賢人の次の一手は何になるのか。旬のうちに消費されず、作品ごとに更新されていく——そのサイクルを10年以上続けている事実が、「実写化請負人」という呼称よりもずっと雄弁に、この俳優の凄みを語っている。
まだ見ていない作品があるなら、今が入口として悪くない。


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